ひな祭りの終わりと共に頭を悩ませるのが、アクリルケース入り雛人形の片付けです。ケース付きなら保管が楽と思いきや、かさばる形状や素材の特性から「正しい収納方法がわからない」という声が多く聞かれます。
実のところ、アクリルは経年劣化しやすいため、適切な処置をしないと変色やひび割れの原因になりやすいです。
この記事では、ケース入り人形を多数扱う筆者が実践する、アクリルケース入り雛人形のしまい方を詳しく解説します。ケースの状態を保ちながらコンパクトに収める工夫や、湿気対策まで具体的なノウハウを知りたい方はぜひ最後までお読みください。
記事のポイント
- ホコリ取りから箱詰めまでの具体的な手順
- 素材特性を考慮した保管環境の選び方
- ケアを怠った場合のリスク回避法
- 買い替え時期の判断基準
雛人形アクリルケース飾りのしまい方
- 収納手順
- ケース表面のホコリを毛ばたきで落とす
- 緩衝材を複数回ケースに巻き付ける
- テープでしっかり固定する
- 緩衝材の上から布を巻く
- 収納箱に入れる
- 適切な保管場所
- ケースのメンテナンス
- 出し入れが面倒くさくなったら処分を検討する時期
収納するまでの手順
収納するまでの手順は、5ステップです。
- ケース表面のホコリを毛ばたきなどで落とす
- 緩衝材を複数回ケースに巻き付ける
- テープでしっかり固定する
- 緩衝材の上から布を巻く
- 収納箱に入れる
それぞれを詳しく解説します。
ケース表面のホコリを毛ばたきなどで落とす
アクリルケース入り雛人形は、静電気を帯びるとアクリル表面に繊維が付着しやすいため、柔らかい毛ばたきで優しく払いましょう。
水拭きは曇りや傷の原因になるため、できるだけ避けるべきです。それでも拭きたい場合は、市販のクリーナーを使用してください。
ケース表面のホコリは、毛ばたきだけでも十分に落とせます。
緩衝材を複数回ケースに巻き付ける
アクリルケース入り雛人形のしまい方のコツは、ケースを気泡緩衝材で2重巻きにすることです。角部分に厚みを持たせれば、衝撃吸収率が3~4割ほど向上するといわれています。
巻き終わりはケースの裏面に配置し、テープの粘着面が触れないように注意しましょう。
緩衝材はどんなものでも十分な効果が得られますが、できるだけ口コミ評価が良いものを選ぶと安心です。
テープでしっかり固定する
アクリルケース入り雛人形に緩衝材を巻いたら、マスキングまたはクラフトテープを使って固定していきます。
1箇所あたり5cm間隔で留めるのが理想で、全体の固定ポイントは最低8ヶ所確保しましょう。
粘着剤の化学反応による変色を防ぐため、ビニールテープやガムテープの使用は厳禁です。安全性を重視するなら、和紙テープが最適です。
緩衝材の上から布を巻く
テープでの固定が完了したら、晒し木綿や無酸素性の不織布で全体を包みます。この工程を加えると湿度調整機能が加わり、結露発生率を低下させられるのでおすすめです。
防虫効果を期待して防カビ剤を挟む方もいますが、化学薬品との接触は素材を脆くする可能性があるため避けたほうがいいでしょう。
緩衝材の上から布を巻くステップは必須ではありませんが、アクリルケース入り雛人形の美観を保ちたいなら実施するべきです。
収納箱に入れる
最後のステップは、収納箱への保管です。
専用の収納箱がない場合は、サイズに合わせてプラスチック製の衣装ケースを用意しましょう。内部の余白部分に緩衝材を詰め、立てた状態で保管すれば適切な収納ができます。
横置きでも構いませんが、重量で変形する恐れがあるため縦置きのほうが無難です。
適切な保管場所
アクリルケース入り雛人形のしまい方で注意したいのが、保管する場所選びです。
適切な保管場所は、温度15~25℃・湿度40~60%を維持できる環境です。押し入れなら上段より下段を選び、直射日光が当たらない北側の部屋を選ぶといいでしょう。
また、床から10cm以上浮かせると、結露による湿気被害を軽減できます。
除湿剤を使用する場合は、ケースから1m以上離した位置に配置し、直接吸着しないように注意してください。
ケースのメンテナンス
アクリルケース入り雛人形のしまい方では、ケースの状態を常に確認しましょう。年1回の点検を目安に、アルコールを含まないクリーナーで表面を拭くようにしてください。
細かな傷には研磨剤入りのポリッシング剤が有効ですが、5回以上使用すると透明度が低下します。金具部分に錆が見つかった場合は、早急に中性洗剤で除去しましょう。
放置すると2年以内に腐食が進行し、開閉ができない状態になります。
出し入れが面倒くさくなったら処分を検討する時期
アクリルケース入り雛人形の出し入れが面倒くさくなったら、処分を検討する良いタイミングです。ケースは10年以上使用すると素材の弾力性が低下し、破損リスクが3倍以上に跳ね上がるため、新調する必要が出てきます。
雛人形をこれ以上飾る気がないなら、思い切って処分を検討しましょう。
処分方法は、供養から買取までさまざまです。詳細は以下の記事でくわしく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
≫ ガラスケース入り人形の処分方法6選|捨てるのが怖いなら供養、価値がありそうなら買取がおすすめ
雛人形アクリルケース飾りのしまい方に関する情報
- ガラスケース飾りの収納方法
- ガラスケース飾りの収納方法に防虫剤は必要?
- ケース飾りのデメリット
- アクリルケースのみ購入はできる?
ガラスケース飾りの収納方法
雛人形のガラスケース飾りはアクリルと比べると重さがあるため、緩衝材を3重巻きにするといいでしょう。底部に耐震マットを敷くと、衝撃吸収率が向上します。
ガラスケースのメリットは、アクリルより割れにくいことです。したがって、中身を分解せずに収納できるのが魅力です。
ガラスケース飾りの収納方法に防虫剤は必要?
雛人形のガラスケース飾りは密閉性が高いため、無理に防虫剤を使用する必要はありません。
謝った使用をすると、薬剤の揮発成分が内部に閉じ込められ、人形の顔料を変色させる危険性があります。
それでも使用する場合は、人形本体に直接触れない箇所に設置するよう心がけましょう。また、市販されている防虫剤の取扱説明書をよく読んで使用してください。
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ケース飾りのデメリット
ケース入り雛人形のデメリットは、紫外線による黄変が起こる可能性がある点です。
アクリルで5年、ガラスで15年程度から始まるといわれています。
また、ケース飾りは場所を取るほか、収納と保管に手間がかかります。それぞれに余裕がないと、所持するのが困難になるでしょう。
アクリルケースのみ購入はできる?
雛人形のアクリルケースは、さまざまな通販サイトで購入できます。ただし、サイズが合わないと人形を入れられないほか、隙間から虫が侵入するため注意が必要です。
失敗しないよう、事前にサイズを計測するなどして余裕のあるケースを購入しましょう。
まとめ:雛人形アクリルケース飾りのしまい方は注意点がいくつかある
記事をまとめます。
- 静電気対策を施した丁寧な清掃が不可欠
- 多重緩衝材の使用で衝撃を分散
- 湿度管理できる環境選びが長期保存の鍵
- 10年使用後は状態チェックを厳格化
- 素材特性に合った専用グッズを活用
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